本格的にテニスで上達したいなら、サーブ練習を大事にしましょう。なぜなら、サーブは攻撃の起点なり非常に重要だからです。
サーブには、反則や守るべきマナーもあるため、しっかりと押さえておきましょう。
この記事では、フットフォルトなどのルールやお互い気持ちよくプレーするためのマナーなど、サーブに関する知識を細かく解説していきます。
目次
- そもそもサーブってなに?
- サーブが打てるのは2回まで!フォルトとは
- サーブってどこに打てばいいの?
- 下から打ってもいいの?サーブの打ち方?
- タイブレークのときが少しややこしい!サーブを打つ順番
- 少しでも線にかかればイン!サーブのジャッジの仕方
- トスを何度も上げ直すのはNG?サーブのマナーとは
- 気がつかずにやってしまいがち!フットフォルトには注意が必要
- 他にもいろいろある!サーブの細かいルール
1.そもそもサーブってなに?
テニスでは、プレーヤーが最初に打つショットを「サーブ」と呼びます。
サーブでは、空中にボールを投げてからラケットで打たなくてはなりません。このとき、ボールを投げる行為を「トスアップ」と呼びます。トスアップされたボールを、地面に落ちるまでの間に打つのがサーブの基本的なルールです。なお、サーブを打つ人を「サーバー」、受ける人を「レシーバー」と呼びます。ゲーム中に、サーバーとレシーバーは何度も入れ替わる仕組みです。
ちなみに、サーブを「サービス」と呼ぶこともありますが、呼び方が変わっても両者の意味は変わりません。サービスとは、フランス語の「service(召使い)」が語源だとされています。11~12世紀、フランスの貴族が遊んでいた「ジュ・ド・ポーム」というゲームでは、召使いが最初のボールを投げる流れでした。そこから、「サービス」という言葉がテニス用語になっていったのです。
サーブでは、プレーヤーがボールを打つポジションも決められています。コートの一番後ろには「ベースライン」という線があり、プレーヤーはそこを越えないようにしてサーブを打つのがルールです。
2.サーブが打てるのは2回まで!フォルトとは
テニスのルールでは、サーブを打てるのは1ポイントで2回までです。
サーブがサービスボックスに入らなかったり、ネットを越えられなかったりした場合は「フォルト(失敗)」となります。また、2連続のフォルトは「ダブルフォルト」と呼ばれ、レシーバー側にポイントが与えられる仕組みです。
1回目のサーブが「ファーストサーブ」で、それがフォルトになれば「セカンドサーブ」を打たなければなりません。つまり、セカンドサーブが失敗すればダブルフォルトとなります。
ファーストサーブは、攻撃重視が基本戦術です。なぜなら、相手の返しやすいサーブを打ってしまえば、自分のピンチを招くからです。強い球威で、きわどい場所にサーブを打ち込めば、相手は思うようにレシーブできません。
さらに、相手が触れられないようなショットでポイントを稼ぐ「サービスエース」を狙うのも効果的です。
なお、サーブがネットに当たったうえで相手のコートへと入れば「レット」とみなされます。レットになったらサーブをやり直すことが可能です。
3.サーブってどこに打てばいいの?
サーブでは、サービスボックス内にボールを入れなければなりません。
自分のコートからネットを越えて対角線を描いたとき、相手のコート内には「サービスボックス」と呼ばれるエリアがあります。フォアサイドであれば、サーバーから向かって右から左のサービスボックスを狙います。
逆に、バックサイドのときは左から右のサービスボックスにボールを打つことが必要です。サービスボックスまでノーバウンドで届けばサーブは成功となります。
上級者レベルになると、サービスボックスの隅を狙った攻防が繰り広げられるでしょう。なぜなら、相手にとって返しにくいサーブを打てば、それだけ有利に試合を進められるからです。
サーブで得点できる確率も高くなりますが、こうしたプレーは高度なテクニックが身についていないとできません。
初心者は、まず確実にサービスボックス内へとボールを入れることを意識して練習しましょう。
4.下から打ってもいいの?サーブの打ち方
サーブのスイングに細かい規定はありません。
トスアップされたボールが地面につく前に打つことができれば、上から打っても下から打ってもルール違反にならないのです。
初心者の場合、タイミングが合わず上からサーブを打つのが難しいこともあるでしょう。その場合は、下から確実に打ってフォルトを防ぐことも一つの方法です。
ただ、下から打った球は相手にとっても返しやすくなります。そのため、サーブで攻撃を意識するのであれば、上から威力のあるショットを打つことが大事です。
ただし、下から打つのが必ずしも不利になるとは限りません。あえて緩いボールでタイミングをずらしたり、相手の意表をついたりするときには下から打つサーブも得策です。
実際に、プロのテニス選手でも下からサーブを打つことはあります。問題は、一般的なテニスのセオリーとは異なるので、アンダーサーブにネガティブな印象を抱いている人も少なくありません。
「マナーが悪い」と捉える人もいるため、草試合でアンダーサーブを打つときは事前に伝えておくのが無難でしょう。
5.タイブレークのときが少しややこしい!サーブを打つ順番
テニスの試合をスムーズに進めるには、サーブの順番をしっかりと守ることが肝心です。特に、タイブレークではサーブを打つ順番がやや複雑になるので初心者は注意しておきましょう。ここからは、サーブの順番について説明します。
5-1.ラケットトスでサーブの順番を決めるのが主流
サーブの順番は、試合前のトスによって決まり、多くの試合ではラケットを回してグリップエンドのメーカーマークがどの向きになるか、選手同士が宣言し合って決めています。
上向きなら「アップ」と宣言した選手が、下向きなら「ダウン」と宣言した選手が「サーブ権か」「コートサイドか」を決められるルールです。例えば、トスの勝者がサーブ・レシーブを選んだ場合、敗者はコートサイドを選ぶことができます。
ちなみに、ラケットではなくコインの裏表を宣言するトスも採用されている傾向です。
5-2.ダブルスは4人全員が交互に打つルール
2対2で行われるダブルスでは、全員が交互にサーブを打たなくてはなりません。まず、トスで先に打つペアが決まったら、2人のうちの片方がサーブをします。
サーブを打つ順番は、ペア内で決めて、その人がサーブを打ったら次はペアのもう片方がサーブを打つ決まりです。その後で、サーブ権は相手ペアに移行します。
つまり、例えば選手A・BペアとC・Dペアでダブルスをする場合、A、B、C、Dの順番でサーブは進んでいくルールです。ダブルスのサーブは、平等にまわってくるため、できるだけ得意な人に多く打たせるよう工夫するとよいでしょう。
通常は、サーブに自信がある人から打つようにします。
ダブルスに比べると、1対1のシングルスではサーブの順番が分かりやすい傾向です。サーバーとレシーバーが交互に回ってくるだけのため、初心者でも混乱せずにプレーできるでしょう。
5-3.ゲームカウントが6-6になればタイブレークをする場合も
テニスは、ゲームカウントで2つ以上の差をつけなければセットが終わりません。そのため、「6-5」から相手が1ゲームをとり、「6-6」になればタイブレークに突入することもあります。
タイブレークとは、ゲームカウントが2つ開くまでセットを続けることです。例えば、ゲームカウント「7-6」では決着がつきません。「8-6」「9-7」など、2ゲームの差がついたところでセット終了となります。
タイブレークは、そのゲーム最初のサーバーから始まるのがルールです。タイブレーク1本目のサーブは、フォアサイドから1ポイントだけ打ち、次のポイントからはバックサイドから打たなくてはなりません。
フォアサイドと2ポイント打ったところで、サーブ権は相手に移ります。タイブレークでのサーブ順は、特殊なルールとなるため、初心者にとっては分かりにくいと感じる人もいるでしょう。
順番を把握していないとゲームに集中できなくなりかねないため、大事な場面で実力を発揮できるようサーブの順番をしっかりと押さえておくと安心です。
6.少しでも線にかかればイン!サーブのジャッジの仕方
サーブのインアウトはサービスラインによって区切られます。
サービスボックスの一番奥にある線が「サービスライン」です。サーバーは、サービスラインの内側を狙ってボールを打つことが必要です。ちなみに、サービスラインに少しでもボールがかかれば判定は「イン」となります。たとえサービスラインの線上であってもフォルトにはなりません。砂があるオムニコートなどでプレーしていると、ボールの跡が地面に残るのできわどいボールも正しく判定されやすくなります。
逆に、跡の残らないハードコートではサーブの判定が厳しくなる傾向です。草試合では、レシーバーのセルフジャッジに委ねられることも少なくありません。しかし、レシーバーが自分に有利な判定ばかりしていると、お互い気持ちよくプレーできなくなっていきます。レシーバーは、スポーツマンシップにのっとり、正直なジャッジをすることが大前提です。ただし、プロの大会になればトラブルを避けるため、「ホークアイ」と呼ばれる機械が導入されていることもあります。機械は、人間の動体視力で追いつけないボールも正確に判定できるので、ミスジャッジの減少に役立っています。
7.トスを何度も上げ直すのはNG?サーブのマナーとは
「トスアップをやり直すこと」には注意が必要です。
テニスのルールでは禁止されていないものの、マナー違反となる行為があります。サーブを打つときにも、注意するべきポイントは少なくありません。ルール上、スイングをしない限りトスアップは何回やり直してもかまいません。ただ、あまりにも回数が多くなると相手のリズムは狂ってしまいかねません。そのため、3~4回ほどトスアップを繰り返してしまったときは、レシーバー側に謝るのがマナーです。
相手がサーブをフォルトしたときは、そのボールを可能な限りネットにかけておきます。フォルトと分かっているのに、相手に向かって強く打ち返すのはマナー違反です。また、ボールをプレーエリアに転がしておくとゲームに影響が出かねません。余裕があるときは、ポケットにボールを入れたり、後方によけておいたりすれば安全です。
相手がフォルトしたボールを渡すときのマナーも意識しましょう。距離が遠ければ、声をかけてからラケットで打って返すようにします。この場合、球威を軽くすることが大事です。不意に速いボールが飛んでくると危険ですし、挑発行為だと思われかねません。距離が近ければ、直接手渡しするのがマナーとして無難です。ダブルスでフォルトがあったときにレシーバー両方がボールを持っているなら、より遠いほうが先にサーバーへと返球します。
8.気がつかずにやってしまいがち!フットフォルトには注意が必要
なかなか指摘しづらいものの、反則行為となるのが「フットフォルト」です。
フットフォルトとは、サーブを打つときにベースラインを踏んでしまうこと。サーブを強く打とうとすると、どうしても踏み込みは大きくなるため、その結果、意図せずにフットフォルトを犯してしまうプレーヤーは少なくありません。
審判がいる場合は、フットフォルトが起こった時点で判定してくれます。ただ、セルフジャッジの試合では相手コートで起こった反則を見極めるのは非常に困難です。レシーバーが「フットフォルト」と感じても、強く主張することが難しいでしょう。
それでも、指摘をしなければ相手がフットフォルトを繰り返す可能性はあります。自分たちのポイントにならなかったとしても、抗議することで相手がフットフォルトを止めてくれることもあるため、あまりにもフットフォルトが目立つような場合は、思い切って相手に教えてあげましょう。ダブルスの場合は、サーバーに比較的近い前衛の選手が指摘すると効果的です。
ただし、ジャンプしてサーブを打ってからベースラインを越えるのはフットフォルトに該当しないので注意しましょう。
9.他にもいろいろある!サーブの細かいルール
反則をとられないよう覚えておくことが必要です。
テニスのサーブには、細かいルールがたくさんあるため、反則をとられないよう覚えておくことが必要です。まず、サーバーがトスアップしてからスイングを空振りしたら、「フォルト」とみなされます。
ただし、先述したようにトスアップしただけでスイングをしなければやり直しが可能です。ダブルスの場合、味方にサーブが当たってしまうとフォルトになるため、気をつけましょう。「ネットを越えないボール」は、すべてフォルトの対象です。
ポイント後、20秒以内にサーブを打たないこともルール違反となります。このルールは、草試合だとそれほど強く意識されません。なぜなら、和気あいあいとおしゃべりしながら進めるプレーヤーも多いからです。
しかし、テニスのルールに厳しい人の場合、相手が早く打たなければ不愉快に感じることもあります。そのため、マナーの一環としても覚えておき、20秒以内にサーブを打つことを意識して試合を進めていくほうが賢明です。
また、レシーバーが構えていないのにサービスエースを打ったら無効になることもあります。サーブを打つ前には、レシーバーの状態を確かめておく習慣が大切です。
まとめ
サーブのルールを基礎から学びたい人はテニススクールがおすすめ
テニスのサーブには、ルールやマナーが多いため、初心者にとっては分かりにくい一面もあります。もし、基礎からサーブを習得したい場合は、テニススクールに通うことも一つの方法です。
テニススクールでは、経験豊富な先生がテクニック面だけでなく初心者が分かりにくいルールやマナーも丁寧に指導してくれます。テニスへの理解を深めつつ、プレーヤーとしても上達できるチャンスとなるため、おすすめです。
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